「泥流地帯」

三浦綾子「泥流地帯」「続泥流地帯」読了。
泥流地帯 (新潮文庫)

続 泥流地帯 (新潮文庫)

続 泥流地帯 (新潮文庫)

十勝岳に近い上富良野
そこに暮らす貧乏だが純朴な兄弟、拓一と耕作の成長を描く第一作の途中までは子どもたちをとても魅力的に描く映画のよう。
そして、十勝岳噴火によってそれまで築いたものが一気に崩れ、そこから尚再生していくこの物語は世の不条理に負けずに生きていく尊さが描かれる。
迫力ある筆致と巧みな構成に引き込まれ、すぐに読んでしまった。

とてもとても良い本だが、やはり三浦綾子の欠点は(少なくても自分にとっては)どうしても聖書の引用を登場人物にさせてしまうところかな。それさえなければ最後まで素直に読むのに…。