クリシン バカ
4月から学生を教えることになるが、学生に何を学んで欲しいかと言えば(なんて偉そうな…)知識ではなくて、物の考え方、特に論理的思考法ということになるかねぇと思ったりする。そういう授業をしなくてはいけないということもあるが。
もちろん、神経信号の伝達の場はシナプスと言うとか、そこでは伝達物質による化学信号がやりとりされるのだよとか、そもそもの神経分布はどうだとか医学生として最低限の知識は身につけて欲しいのだけれど(神経生理の教室員になる身としては)。
クリティカルシンキング 入門篇: あなたの思考をガイドする40の原則
- 作者: E.B.ゼックミスタ,J.E.ジョンソン,宮元博章,道田泰司,谷口高士,菊池聡
- 出版社/メーカー: 北大路書房
- 発売日: 1996/09/01
- メディア: 単行本
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ま、こちらの方から一言いえば、第5章冒頭に挙げられているように、「ユリ・ゲラーの超能力を一目見て、その結果を実感し、信じてもらうようになっては困る」からそうならないような思考法を学びとりたい。
何も超能力信奉者にならないまでも、「今までの経験や知識を元に、簡便なやり方を用いて大まかに確立判断を下す。そういうヒューリスティクス(簡便法)」思考は医者の中にも溢れているわけで…自分の体験した「少数の患者に効いた経験」を大多数の人に何の疑問も持たずに汎化させて適用させてしまうヒューリスティクス使いの上司には困ったものです。
強い主張を沢山持っている人に言いたいのはこれ。
「たんなる偶然(偶然の一致)」こそが、しばしば最も有効な説明原理である。(クリシン原則38)
- 作者: 和田秀樹
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/11/01
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「バカ」には何通りもあるという著者(精神科医なんだよなぁ)。知識だけを使って物を言い、自分の推論を挟まないのもバカなら、もちろん知識を何も持たないのもバカ。バカは気づけば治る、治せるのに治そうとしないければやはりバカ。
えぇえぇ、お説ごもっとも何だけど、読んでいるうちに不快になってくる。そんなに、バカバカとバカの二文字をページに載せんでも…。著者の出会ったバカにまつわる自験例は余り語らない方が良いと思うのですがね。
そういえばこの著者はこんな本も書いていた。結果こそ大事だから、「数学が暗記とは口が裂けても言いたくない気持ち」はわかってもらえないんだろうねぇ。
和田式要領勉強術数学は暗記だ!―受かる青チャートの使い方 (大学受験合格請負シリーズ) 新装改訂版
- 作者: 和田秀樹
- 出版社/メーカー: ブックマン社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
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