「島抜け」 吉村昭

吉村昭「島抜け」を読む。

島抜け (新潮文庫)

島抜け (新潮文庫)

瑞龍という講釈師が大阪夏の陣の際の真田幸村の活躍を、豊臣側に立って、徳川の危機一髪を迫真の口調で講談した科で、種子島に遠島刑となる。そこを同じく流罪になった3人と脱出、中国にたどり着くが、再び日本へ。素性が奉行所に発覚する前に逃亡。当然追われるわけだ。

例によって吉村昭は綿密な調査をもとに、冷静ながらも迫真の筆致で瑞龍の逃亡生活を眼前に浮かび上がらせてくれる。
結末は、わかってはいたけれど、ショックを受ける。