ニュートンの反射望遠鏡

反射望遠鏡の自作キットが付録に付いている、というので思わず買ってしまいました。
ガリレオが対物レンズを使った、屈折望遠鏡で月や木星の4大衛星を観察した一方、ニュートンは光を反射鏡を使って集め、それを望遠鏡の筒先端に着けた副鏡で折り返して横から見る特徴的な反射望遠鏡で天体観察をした。
↓仕組み
http://www.ysc.go.jp/ysc/info/g5123.html

屈折望遠鏡が星の周りに虹のように色がにじむ色収差という問題で余り口径(レンズまたは鏡の直径)を大きくできない一方(いやとても高い金をかければ色収差の無いレンズは作れるのだけれど)、反射望遠鏡の主鏡は安価にできるため、そして色収差という問題がないため、大抵の大口径望遠鏡といえば反射望遠鏡。とりわけ、アマチュアにとってはニュートン式が一般的で、自作も容易。
そういえば昔、15cm反射望遠鏡口径の反射望遠鏡のキットを買ったなぁなどと思いだす…結局作らなかったんだ代なぁ…あぁ怠け者。

15cmといえば、ニュートンも1668年に口径6インチ(=15cm)、倍率40倍、鏡筒の長さ6フィート(1.8m)という大きな望遠鏡を作っていたらしい。それはよく見えたろう。
ニュートンの望遠鏡といえば、この雑誌にもついている、小さい卓上のものだけを想像していた。ま、考案者だけに色々な種類を作っていて当たり前か。

キットは、その卓上モデル、主鏡は50mm、焦点距離160mmの長さ150-160mmくらいのやつを更にちいさーくしたやつ。味のある、色・形をしているが、ほんとに見えるのかね、これは?
主鏡もガラスじゃなく、アクリル製だし…。
とはいえ、今度こそ作ってみようっと。

雑誌の中には、その筋では有名な反射鏡制作者、苗村敬夫氏が紹介されている。鏡面研磨というのはそれはそれは職人芸で、苗村鏡といえばいつかはそれを使った望遠鏡を覗いてみたいと思っていた。まだ元気でいらしたんですね。
何しろ、苗村さんはこれまでに113cmという鏡(400kg以上になる!)を手磨きで作ったことがあって、それはもうすごいことだ。完成まで10ヶ月かかったという。


ところで、望遠鏡の性能を決めるのは、1に口径、2にレンズ、もしくは鏡の精度、3に光学系。口径が大きくなければそもそも淡い星の光を十分に集められないし、レンズや鏡が良くなければ口径分の性能を引き出せないし、屈折望遠鏡にするか、はたまた、ニュートン式のみならず、シュミットカセグレン、マクストフカセグレンなどと沢山ある反射望遠鏡の種類の中からどれを選択するかでも見え方が変わってくるし、用途も変わる。
間違っても倍率ではないので、通信販売の広告に引っかからないようにしませう。
口径が大きくなれば倍率なんて高くできるし、口径が小さいのに倍率が高いと暗くなって像もぼやけてしまうのです。


昔、カールツアイスの望遠鏡に憧れたな。何しろ普通なら20万円程度の光学系が平気で100万、200万。夢のような機械かと思っていたが、どうもそうでもないらしい。あれもある意味通販の誇大広告に近いものではなかっただろうか…。