「フィンランド・ピアノ名曲集」 舘野泉

舘野泉のコンサートに行く。
舘野泉は男性ピアニストで、フィンランド作品を得意としている。70歳になる。
2年前脳梗塞で倒れ、右半身麻痺に。一時は生きる気力も失ったようだが、左手だけでもピアノは弾けると昨年復帰。精力的に演奏活動を開始している。
演目は
バッハ パルティータ2番からシャコンヌ(ブラームス編曲)
スクリャビン 左手のための2つの作品
吉松隆 タピオラ幻景
ノルトグレン 小泉八雲の「怪談」によるバラードⅡ
ブリッジ 3つのインプロヴィゼーション

バッハ以外は初耳。舘野のために書かれた吉松の作品が美しく、印象的だった。

舘野泉のCDでは「フィンランド・ピアノ名曲集」を薦めたい。

フィンランド・ピアノ名曲集

フィンランド・ピアノ名曲集

可愛い小品で溢れている。特にクーラの結婚行進曲は静かな中に強い決意を秘めた心情が表現されているようで、かっこいい。

フィンランドにも行ったことのある友人は、彼の地に行くとシベリウスの作品がなぜああのか理解できる気がすると言う。


羨ましい話。
フィンランド精神科医(に限らないのだろうが)は、年間6週間休みを取るという。4週間は夏、2週間は冬。
日本では1週間だというと「それでどうやって生きていけるのですか」とびっくりされたという。
日本の方が異常なんですよ、やっぱり。
でも暗いままな冬を過ごさなくてはいけない北欧では、確かに休暇を多くして、福祉を充実させないと生きていけない気がするなぁ。