雨柳堂夢咄 ふたつのスピカ

新刊2冊を買う。

「雨柳堂夢咄」はここ4年ほど、もっとも楽しみにしている漫画だ。
舞台は雨柳堂なる骨董屋。時代は大正時代かなぁ。主人公、というか狂言回しとして登場する青年、蓮は骨董達の声や物の怪のような姿のものたちと話をすることができる。その骨董達に縁をを持つ人、もしくは骨董達の方が思いを寄せる人物達を引き寄せて大抵は不思議で切ない、ときにコミカルな話が展開する。

二年ぶりの新刊である、今回は今までの登場人物の機会が薄いかなぁ。この頃は柚月という女の子と実の父親を巡る話が多かったのだけれど。まぁ骨董達はやっぱり可愛い。

文庫版も出ている。最初は文庫で買ったのだけれど、大きい方がずっといい。
何しろ絵がきれいだから。

一番好きなのは6巻の第2話(文庫だと4巻かな?)の「蜃気楼」。
偏屈なお婆さんに女の子として育てられた少年と家庭教師の交流を描いた話。外部と殆ど交流無く育った少年が家庭教師と出会い、外の世界に出て行く力を身につけた、最後の言葉がとても大正の景色に似合っていると思うのです。


ふたつのスピカ 10 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

ふたつのスピカ 10 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

宇宙学校に入学した主人公達も3年になる。
前向きな主人公達の姿はいつもながら美しいし、読んでいて力も湧くのだけれど…6巻くらいからかな、甘い定型的な青春漫画っぽくなっていてちょっと残念に感じる。