トロピカルパフェ

最近、本当に本を読む時間がない。
今回もようやく埼玉への当直への旅路途中で読むことができた。
米澤穂信の「春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)」に続く第二弾。

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

主人公はもちろん「小市民」目指す高校2年生の小鳩君と小山内さん。
小鳩君はついつい推理してしまいがちな性向を極力抑えがちに、小山内さんはともすると表に立ってしまう残虐性をひたすら隠し、2人は恋愛関係ならぬ互恵関係を築き上げて平穏な日々を送ろうと努力している。

今回は前作と違って、全体が一つの事件に収束する形でまとめられていて、しかしそれでいて読んでいる最中はそうと感じさせず、なかなか上手い作りになっている気がした。

小山内さんの内に潜む加虐性も今回はより力を増している…が、それでいてユーモアを感じる小山内さんの口調ではあり、それはとても魅力的。

この、一見童顔で背も低く、目立たない姿をしていながら、そこからは考えづらい裏の顔を持っているという小山内さんにはとても親近感を感じる。というのはこの役をやらせたらぴったりだなぁという後輩精神科医がいるからで、小山内さんは将来精神科医になられたらいいんじゃないでしょうかね。

今回は実はこれで終わりとも思える2人の互恵関係だが、まぁ「秋期限定」「冬季限定」も出るんだろう。楽しみにしておこう。

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)