蚊、蚊、蚊

友人Mが蚊に何カ所も何カ所も刺されたと嘆いている。
それで思い出すのはある夏の思い出。


千葉県というのはとてもとても標高の低い県で、日本で唯一500m以上の山が無い。そんな小さな山の1つ、高宕山(315m)は野生ニホンザルの生息地。
http://www.pref.chiba.jp/syozoku/e_shizen/miti/24/index.html
(↑何だか美化されてないか?)

学生の頃、医者になる気は全くなくて、サル学者になりたかった。結局京大の霊長類研究所に見学に行って、「あぁこんな頭の良い人たちとやっていけない」と自信をなくしてあきらめたけど、学生時代のハイライトは高宕山で2泊3日やった「猿追い」。
高宕山には、猿の群れを継続的に調査している方々がいて、つてを辿ってその人たちの活動にちょびっとだけ参加させてもらった。
当時は(今は知らない)2群を追っていて、猿の群れは夜明けと共に起き出して、日没まで行動するから、班に分かれ、トランシーバーで連絡を取りつつ、猿の群れの動きを予測し、各人散開して猿の動向を探った。
で、サルたちは困ったことに道を歩いていくわけではないから、サルを追うためには道無き道を走っていくしかない。サルが休憩すればその場で待機。


で、辛いんですよ、蚊が。林の中、日陰に入ると、猛烈な蚊の大群に襲われます。大きい蚊がわんさと襲ってくるものだから、夏というのに半袖ではいられない。ゴアテックスのレインコートを取り出し、サルたちが動き出すまでじっと我慢。それでも刺されまくる。おかしい、レインコートの上から何故針が通る?としか思えない場所にもそりゃまた沢山と。


自分にとっては蚊の大群といえばそれを思い出すのだけれど、シベリヤ、アマゾン、アラスカの蚊はそれはそれはものすごいらしい。
人が蚊に囲まれた蚊柱、蚊の大群に人が刺されて死ぬ、アマゾンでは蚊の大群をやり過ごすためにはピラニアのいる川に飛び込むのもやむを得ない、などの話がわんさかです、この本。

蚊学ノ書

蚊学ノ書

(集英社文庫で出ているはずなんだけど)

中にあったCWニコルのお話。北極の蚊は凄まじいという話。

>>いたる所蚊だらけだから、紅茶にも入るし、食べ物にも入る。蚊が嫌いだったら気がくるいます。…朝起きるでしょ、するとミーンという耳鳴りみたいな音が外で聞こえるんです。テントのそばで蚊が待っているわけ。テントに太陽が当たると、無数の蚊の影が大きく映るんです。影が。そうするともう外に出るのが嫌になってしまう。<<

オーロラを見に行ってとても素晴らしかったアラスカも、この本読んで、夏は行く気を無くしました。はい。


ちなみにサルの話ならこの本。立花さんの本にはお世話になりました。

サル学の現在 上 (文春文庫)

サル学の現在 上 (文春文庫)