精神医学入門

今日の当直飯は検食簿を見ると豚の焼き肉、らしい。
もやしとにんじん使って豚肉の細切りを炒めた、肉野菜炒めじゃないか、とも思うのですけれど。味は結構美味しくてごはんに合う。

当直というのは一応業務だから、とはいえ17時以降は関係ないよ、と葛藤を抱きつつ、今日は教科書の最新版を読む(ぱらぱらめくる)。

精神医学入門

精神医学入門

この本、1949年に初版、この最新版は第25版だから、改訂に改訂を重ねた超ロングセラー。親子で書いていて、著者の1人西丸四方先生は亡くなられたから、もう改訂はないと思ってたら改訂されたので中も見ずに買ってしまった。

アメリカの診断基準DSM-Ⅳに応じた診断分類などはもちろん載っていなくて、そこらへん、現代的教科書とは著しく異なる。だから、正直精神科に入ってくれた研修医には勧められないのだけれど、教科書としては殆ど唯一読み物として面白い。自分が第24版を買ったのが学生の頃。様々な精神症状が症例のコンパクトな描写と共に説明され、例えば躁の朗らかさと、鬱の陰鬱さがそれぞれの表情の写真と共に解説される本なんてこれ以外に無いからとても面白かった。
ある程度臨床経験を経て再読するのはとても有意義に感じる。大体、昔の精神科医は今のような薬物療法が発展した中で治療していたわけではないから、治療の成功がなかなか得られない反面、詳細な病態観察をしてくれている。先人の観察力に基づいた描写には深く感銘を覚えること多し。

ちなみに改訂で変わったところ…精神分裂病統合失調症、痴呆→認知症という病名変更と、薬物の少しだけらしい。
後輩Rさんには「ちゃんと中見て買いましょうよ」と諭される。でも彼女に24版は差し上げました。
表紙は前の方が良い。とても良い。今回は味気なくて寂しい。

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