のだめ 大公 海辺のカフカ

のだめカンタービレ(16) (KC KISS)

のだめカンタービレ(16) (KC KISS)

千秋君、マルレオケ常任となって初のリハーサル。楽団員は新旧団員入り交じり、もともと給料少ないからバイトを抱えている人間が多いなか、千秋の完全主義を反映した粘着気質指示が次々飛ぶため団員たちに緊張が走る。


千秋の粘着から思い出すのはこの人。
セルジュ・チェリビダッケ - Wikipedia
完全主義でそれはそれは有名で、普通客演のリハなんて1日や2日ですませるようなものを、日本で指揮するとき3日以上を要求して楽団と対立したエピソードがなかったっけ?
晩年何度も来日して、ブルックナー交響曲を沢山演奏していた。兄貴が何度も行ったけど、当時自分は行かなかった。あぁもったいない。でもレーザーディスクで見る彼のチャイコフスキー5番は緊張感溢れる団員の雰囲気が伝わってきて凄かった。CDでよく聞いているのはこれ。ロメ・ジュリと展覧会の絵


リハ中、罵倒の嵐、といえばトスカニーニフルトヴェングラーと並んで20世紀伝説の大指揮者だが、とにかく罵詈雑言著しかったらしい。駄目出し「No!No!)ばかり出すから、あだ名もトスカノーノ。とはいえ、彼が指揮していた20世紀前半のイタリア・アメリカの楽団員たちというのはアクが強くなかなか指揮者の言うことなど聞かず、束ねるのが大変だったとかいう話も。
アルトゥーロ・トスカニーニ - Wikipedia
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー - Wikipedia

トスカニーニの話は↓なんかにも載っている。
ピアニストという蛮族がいる (文春文庫)


有名色男ピアニストの1人はアルトゥーロ・ルビンシュタイン。女遍歴著しい彼は40過ぎに18歳の女性と結婚。しかも結婚していたのを奪ったらしい(千秋とは違うね…)。

ベートーヴェン : ピアノ三重奏曲第7番 「大公」&シューベルト : ピアノ三重奏曲第1番

ベートーヴェン : ピアノ三重奏曲第7番 「大公」&シューベルト : ピアノ三重奏曲第1番

ルビンシュタインの加わったトリオによる名録音の1つ。1941年。
ルビンシュタイン54歳、ハイフェッツ40歳、フォイヤマン39歳の3人演奏による、ベートーヴェンシューベルト。録音の時は、真面目なハイフェッツ、フォイヤマンと、お気楽で茶目っ気たっぷりのルビンシュタインの息がなかなか合わなかったらしい。しかもそれぞれ自己主張が強いものだから、自分の音をffで弾くのにこだわって険悪になったり。ピアノの音に隠れがちなチェロのフォイヤマンの音は「収録時にあなたの音を大きくしておきますから」と録音技術者に操作され、結果皆さん大満足だったとか。


「大公」が出てくるといえば海辺のカフカ君。

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

重要人物の1人、ホシノ君は性格の軽いトラックドライバーだが、不思議な老人ナカタさんとの旅行中、喫茶店でこの「百万ドルトリオ」の演奏に触れて一種悟りを得る。
「古いですが輝きが褪せません」という店主に「そういう気がするよ。良いものは古びない」と答えるホシノ君。なにもわかっていないけど…。