DNAに魂はあるか

DNAに魂はあるか―驚異の仮説

DNAに魂はあるか―驚異の仮説

実はこの本のタイトルが気に入らなくて長い間読まなかった。だって、DNAが魂を持つなんて命題を立てること自体余りにナンセンスじゃないですか…魂の存在を認めるかどうかは置いておいても。だが、訳者による前書きを見て、この監訳者2人はまったく内容を読んでいないのではと疑ってしまった。何しろこの本にはDNAのことなんて何一つ書かれていないに等しいのである。クリックはワトソンと共にDNAの二重らせん構造を解明した高名な学者だが、その業績から考えてDNAのことが記述されているに違いないという先入観でこの前書きとタイトルは付けられたのではないか?


まぁ原題も「astonishing hypothesis」で、意識の解明を科学的立場から行うことへの欧米人の違和感といった立場から付けられていて、それもまた日本人からしてみればピンとは来ないものだけど。

ところで、内容は視覚機能から意識のメカニズムを論じていて、結構難解…うーん、まだ消化できない。「脳の中の幽霊」のラマチャンドランの研究が、幻肢以外の領域について盛んに引用されているのがちょっと印象的。