衝動 失語

衝動性と精神看護 (精神看護エクスペール)

衝動性と精神看護 (精神看護エクスペール)

衝動というのはやっかいなもので、精神医療に携わっていると多分に衝動行動に対する対処に苦慮することになる。言葉の定義を言えば、単に「欲求を我慢できずに行動が突き動かされる」というだけでは不十分。この本では、その精神医学的理解の章で以下のように定義される。
衝動性:その人が決断・実行するまでにじっくりと考えざるを得ない状況であったならばその人が選択しないような非合理的行動を導く内的な変化である。

そういった言葉の理解、脳科学的側面からの解説から始まり、様々な疾患でどのような衝動性が問題となるかの具体例、それへの対処、さらには衝動性を発揮させないような、もしくは発揮されたときにどのような態度で臨むのかの治療態勢(チーム、病棟)について非常に具体的に記述されていて有り難い。知らないと怖いのだ。

そもそもいわゆる医学書では脳科学的理解のみが取り上げられ、また治療に関してもやや上の方から眺めるような記載が多く、それのみではいざ場面に直面したときや、それに直面する人にどのようにしたらよいのか考えることが難しい。

千葉のS療養所は昔から薬物依存症者の治療で有名な病院だが、その堅牢強固な病棟と、厳しい看護体制が有名だった。
しかし、患者による威嚇・暴力をおそれる余り、個々の看護職員に裁量権は与えられず、いつでも「それは医師に聞いてから」という対応をしていたため、看護職員が常に患者から権威を与えられず、威嚇の対象になることをおそれて情報共有も上手く行かずに危険は増した。
そんな中、個々の看護師にも責任を付与し、患者の不満や逸脱行為への注意に対し「矢面に立つ」ことにした上で情報共有を徹底することで、患者は看護師を頼りにするようになり、いたずらに依存病棟への恐怖感を抱くことは無くなったという。

失語症 治療へのアプローチ

失語症 治療へのアプローチ

DNAに魂はあるか

DNAに魂はあるか―驚異の仮説

DNAに魂はあるか―驚異の仮説

実はこの本のタイトルが気に入らなくて長い間読まなかった。だって、DNAが魂を持つなんて命題を立てること自体余りにナンセンスじゃないですか…魂の存在を認めるかどうかは置いておいても。だが、訳者による前書きを見て、この監訳者2人はまったく内容を読んでいないのではと疑ってしまった。何しろこの本にはDNAのことなんて何一つ書かれていないに等しいのである。クリックはワトソンと共にDNAの二重らせん構造を解明した高名な学者だが、その業績から考えてDNAのことが記述されているに違いないという先入観でこの前書きとタイトルは付けられたのではないか?


まぁ原題も「astonishing hypothesis」で、意識の解明を科学的立場から行うことへの欧米人の違和感といった立場から付けられていて、それもまた日本人からしてみればピンとは来ないものだけど。

ところで、内容は視覚機能から意識のメカニズムを論じていて、結構難解…うーん、まだ消化できない。「脳の中の幽霊」のラマチャンドランの研究が、幻肢以外の領域について盛んに引用されているのがちょっと印象的。

学会in出雲 クリック 春樹

出雲大社で学会。
新幹線を使って岡山へ。その後岡山〜出雲市間の伯備線から山陰本線に乗り入れる特急やくもへ乗り換えて東京から6時間半。
伯備線高梁川沿いの山々を眺めながら、山陰本線に移ると宍道湖を望みながら出雲市まで至る、とても景色の良い路線だった。

出雲大社へはローカル路線一畑電車で(1時間に1〜2本で学会に間に合わないかと思った)。

出雲大社は参道が静謐で素敵。

午後は会場を抜けて、おそば屋さん。大社側の出雲割り子そば「かねだ」さん。おばちゃんが親切で座敷で1人ゆっくりさせてもらいました。感謝。↓3種そば。


旅のお供に今まで買ってはいたものの長く読まずにいたクリックの本と、村上春樹

DNAに魂はあるか―驚異の仮説

DNAに魂はあるか―驚異の仮説


世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

自家製ジンジャーエールver.1

いろいろな自家製ジンジャーエールレシピを参考にしつつ、取りあえず手持ちの材料で作ってみた。

生姜スライス適当量(小さめのを10きれくらい)
シナモンスティック
レモン果汁(ポッカの小さいやつ)10滴ほど

を余っていた蜂蜜に投入。実は5日ほど前に仕込んでおいたので、これをコップに少量入れた後に炭酸水を投入。もちろんそこには氷を浮かべる。

で味は……切れがないなぁ。悪くはないけどぼんやりした味だった。
敗因は多分生姜が圧倒的に足りないこと、と思われる。
次は怖がらずたっぷり作るとするか…。
スパイスはクロープを使うのも良いらしいので次こそ。


しかし、もっとも簡単な辛いジンジャーエールレシピはこれだろう。

炭酸水に、
スティック生姜おろしを適当量(小指の先くらい)
レモン果汁5滴ほど
それに氷。
これで出来上がったお手軽ジンジャーエールは実は結構美味しいし、食事に合う。
これを上回るのを作りたいなぁ…。

炭酸水メーカー

食事のお供に、外ではよくジンジャーエールを飲む。
しかし、普通に飲むカナダドライのやつは若干甘すぎるのが難だなぁと思っていたら、あるお店で「辛いジンジャーエールと甘いジンジャーエールがありますが」といわれ、え?辛いの?と思いつつ頼んだのが辛い方。
ウイルキンソンのジンジャーエールだった。
ウィルキンソン|商品情報|アサヒ飲料
確かに生姜が強いが、辛いと言うほどでもない。大変美味しい。

で、自宅でも欲しいなぁと思っていたが、自分で作ればいいと思い直し、しかし炭酸水揃えるのは大変と思っていたらこんなのがあった。

[rakuten:cranes:674411:detail]
うーん、ここは高いなぁ。↓のTAKEYAオンラインショップだと6000円台で買えた。

そんなわけで炭酸水メーカーを手に入れたので、自家製ジンジャーエールを作ろう。レポートは後日。

脳と音楽  ラヴェル ガーシュイン

岩田誠、というと臨床神経学の教科書を沢山書いている先生だが、こんな本も書いていたのね、と。
楽家の脳を対象に、音楽する脳を探る。

脳と音楽

脳と音楽

言葉の障害は、いわゆる失語症として外傷や脳血管障害によって脳が器質的に(物理的に)傷を負う事態に陥って生じてくる。特に発話と理解とは担う部位が異なっている(Broca野とWernicke野)ことはよく知られているが、一方で、音楽がどのように脳の中で処理されるのかに関してはわかっていることが少ない。言語能力は少なくても1つ、誰でも習熟している能力であり、それほど能力差が目立たないのに対し、音楽能力は言語に比べると、その習熟度に著しい個人差があるため、担う脳部位を特定しようにも条件をコントロールしにくいという難点がある。また言語に比べて構成要素が多岐にわたり、何をもってして「音楽能力」というのかにも異論が生じやすい。そこで「音楽を担う脳」を推測するにあたり、参考になるのが、「プロ音楽家」が障害を負ったときにどうなるか、である。プロの演奏家であれば病前の能力に関してはかなり統制されたものになるだろう。

そんな風に脳を見ると、よく「言葉は左半球、音楽は右半球」などと言われるが、実際に音楽家の脳では左半球も含めて発達している。特に大指揮者ハンス・フォン・ビューローや著名なヴァイオリニストや声楽家では各回・縁上回と呼ばれる部分(下図囲み:右半球外側だけど)が発達していたようだ。

脳機能画像であるPETやfMRIによれば、素人さんと音楽家などで楽譜を見たときに賦活された領域がどう違うかなんてこともわかる。それによると、やはり両側の縁上回付近は強く賦活されるようだし、音楽家だけで右後頭葉外側部が賦活されるという報告もある。

個人的には音楽家というのは自分のような素人と違って、楽譜を文章を読むかのように、つまり言語的に理解するように読めるのではないかとずっと思っていたのだがどうなんでしょうか。


ラヴェルは1926年以後精神活動の変化を感じ「もうろくしている」と知人に書き送っている。徐々に書字障害が出始める中、1928年にボレロを完成させたが、楽譜を書いたり読んだりすることは次第に出来なくなった。「頭の中は音楽でいっぱいなのに」それを表出できなくなったのだ。一方で、言語の理解は保たれ、行動的に異常を来すことはなかった。著者はラヴェルの症状、担当した医師の記載などから「全般性痴呆を伴わない緩徐進行性失語症(Slowly progressive aphasia without global dementia、現在はPrimary progressive aphasiaと呼ばれることが多い)と診断していて、その診断に至る過程はミステリーを読むかの様。ラヴェル研究家と会ったときに診断が一致したときの喜びなど、神経科医師らしさが窺える。ともあれ、ラヴェルの作曲活動は次第に衰え、1937年、62歳で開頭術を受けた後意識を回復しないまま1週間後に世を去る。

同年ガーシュインアメリカで脳腫瘍のため世を去った。やはり開頭術を受けた後だったがこちらは既に手の施しようもないほどだった。右側頭葉に大きな腫瘍があり、組織診断では現代で言うとglioblastoma multiform、もっとも悪性のやつだ。ジャズとクラシックを融合し、波に乗っていたが、突然のてんかん発作、指揮、ピアノ演奏の失敗などに支障を来していたらしい。

ボレロ~ラヴェル:管弦楽曲集

ボレロ~ラヴェル:管弦楽曲集

ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー

ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー

ワンセグでいいや…

ワンセグというとテレビ好きの人が外でも楽しみたいという理由で買う人が多いのかもしれないが、逆にとてもテレビが嫌いなるが故購入。
テレビは悩ましい存在。あのブラウン管(いや今は液晶とかプラズマでしょうが…)が居間にどかっと座っているのがとてもとても嫌な一方で、時には大変価値ある番組を提供してくれるため、また日々のニュースにスポーツの一部などは見たいが為に無いと困る。
大画面テレビは見たいものがあれば大きいといいとは思うが、1週間のテレビ視聴時間が1時間以下なのに置く意味がないし、やはりあれが家にあるのは美的に許せない。
そんなわけで、最低限の小さなテレビ(14インチ液晶)は居間の片隅に置きつつ悩んでいたが、ワンセグが登場して以来購入を悩んでいたものの、ついに購入。

BUFFALO 「ちょいテレ」データ放送対応 DH-ONE/U2P

BUFFALO 「ちょいテレ」データ放送対応 DH-ONE/U2P

受信感度も良いし、小さい画面であればきれいで必要十分。しかも予約録画まで出来て、HDDレコーダー要らなくなった。うーん、素晴らしい。
しかしデータ放送対応は2000円の無駄だった。絶対使わんし…。こういうのっていざ買うとなると使わない多機能選んでしまう。困ったもんだ。

ちなみに映画はせっかく見るなら大きい方がいいです。そんなわけでプロジェクターは欲しかったりする。DVDは画質悪いが、お手軽だしまだ次世代機買う気はせんからこれが良いなぁ。静音だし。

SANYO ホームユース液晶プロジェクター LP-Z5

SANYO ホームユース液晶プロジェクター LP-Z5